徳川家康と
「磐田」

飯田人形のふるさと静岡県磐田市に
今も数多く残る徳川家康ゆかりの地

飯田人形のある磐田市にも、家康とゆかりのある場所がいくつかある。

見付、中泉支配の拠点として建てたのが中泉御殿だ。
周囲に民家などがなく、閑静な場所だったことから御殿を作ったとされている。
東海道往来時に家康の宿として、大池周辺で鷹狩りをした時の休憩所としても利用したようだ。

現在でも表門は見付の西光寺に、裏門は中泉の西願寺に移築され残されている。

大軍で攻めてきた武田軍に退却戦となった一言坂の戦いの際に、「一言観音」に戦勝を願ったところ、戦況が有利になった、などのエピソードも残されている。

他にも松尾八王子神社や五十子での茶臼エピソードなど、磐田にも家康をしのばせる場所が多数残されている。

【取材レポート】　実際に見てきました！

静岡県磐田市にある 『一言坂』

三箇野川（現在の袋井市）で武田信玄との戦いに敗れ、浜松城に向って敗走する徳川軍を武田軍が追い、再び合戦になった場所が一言坂。 その戦いで得意の大槍を振り回し一人奮戦し、見方の軍を無事退却させ、敵軍である武田軍の小杉左近から「家康に過ぎたるものは二つあり、唐のかしらに本多平八」と、その武勇を讃えられた本多平八郎忠勝の活躍でも有名な戦いだ。 一言坂の周辺には他にも「京見塚古墳」や「かぶと塚公園」「秋葉灯篭」「宮之一色一里塚」など歴史スポットが多数点在しているので、休日にのんびりと散策してみるのもいいかもしれない。

上/辺りには案内板がいくつか設置されている。近くにはかぶと塚など、歩いていける距離にスポットが点在している。姫街道など磐田市近辺の地理の解説も詳しく載っていた。

■一言坂 静岡県磐田市一言

上/旧国道脇に立っている碑。案内板には近隣の歴史スポットの案内も載っている。 下/坂の上から一言観音の方面を望む。

『挑燈野』

一言坂の戦いは徳川軍にとって負け戦だったが、退却戦として非常に巧妙なものだった。 退却する徳川軍は、兵士に見せかけ藁で作った人形を石動と呼ばれた沼地に立て、橋をこわして布橋を渡し、挑燈やのぼりで軍がいるように見せかけ武田軍を誘い込んで石動に落とし、見事退却に成功した。 村人は戦死者達を弔い、その地を「挑燈野」と名付けた。 昔は夏が近づくと「万能蛍」と呼ばれる大きな蛍が辺りを飛んだ事から、武田軍戦死者たちの魂だと伝えれられたという。 写真の碑は、現在はパチンコ屋の敷地内に立っている。

■挑燈野 静岡県磐田市上万能地区

上/駐車場内に建っている「旧蹟挑燈野」の石碑。 左/挑燈野の由来がのっている案内板。

『一言観音』

武田軍に追いつかれ、戦況不利とみた家康が立ち寄り、勝利を祈願したと言われているのがこの「一言観音」だ。 この観音は、一生に一度、一言だけ願いを叶えてくれると伝えられており、徳川軍は戦いには敗れたが、無事退却に成功した。 その後、この観音様は「一言観音」と呼ばれるようになったそうだ。 智恩斎の山門脇に奉られている。

■一言観音 静岡県磐田市一言797

上/智恩寺の脇にある一言観音。辺りは畑や田んぼに囲まれ、誰でも気軽に参拝できるのどかな雰囲気がいい。 左/小さな建物の中に安置された観音様。きれいに掃除が行き届き、明るい空気に気持ちがなごむ。

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